ワークブーツのソールの種類 - 底が変わると歩きが変わる

はじめに

靴を構成するパーツの中で直接地面と接する靴底(ソール)はとても重要なパーツである。
履いている時には見えにくく見た目だけで違いを実感することはあまりないが、
ソールが違うだけで印象は全く別のものになる。
また、実際に使用してみると履き心地が全くの別物になってくる。
歩行時の衝撃を吸収し足への負担を軽減する働きや、滑りにくくするなど機能は様々だ。
今回はソールの種類や特徴、ブーツにオススメなソールを紹介しよう。

ソールの種類

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ソールの種類は革底(レザーソール)・ゴム底(ラバーソール)という2つに大別することができる。
まずはその2つの特徴を紹介しよう。

レザーソール

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レザーソールとは革製のソールのことで、主にフォーマルなシーンで用いられている。
初めは堅く歩きづらいこともあるが、履けば履くほど革が変化し足に馴染んでくるので次第に足に合ってくる。経年変化を楽しみたいという方にはおすすめのソールである。
また、通気性が良く蒸れにくいという特徴もある。
デメリットとして歩行時に滑ってしまうという危険性や消耗が激しくすり減りやすいという点が挙げられるが、トゥチップと呼ばれるつま先を保護するパーツやハーフソールを取り付けることで
ソールの消耗を抑えたり滑りにくくすることができる。
主にドレスブーツなどで使用されている。

ラバーソール

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ラバーソールは天然ゴムや合成ゴムで作られた靴底のことで、ブーツの大半がこちらのラバーソールを使用している。
滑りにくく、摩擦に強い、耐水性に優れているなどの特徴を持つ一方で、通気性が悪く蒸れやすいというデメリットもある。
レザーソールに比べてカジュアル性が強いためフォーマルな場にはあまり適していない。

ラバーソールの種類

前述の通りフォーマルな靴にはレザーソール、カジュアルな履き方をする場合はラバーソールが用いられることが多いが、
歩きやすさや悪天候時にも対応できるということからラバーソールが使用されることが多くなっている。

ラバーソールは使用するゴムの素材やデザインによっていくつかに分類することが出来る。

ラグソール

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タイヤを連想させるようなデコボコした表面と軽いソールが特徴である。
軽量で歩きやすく、丈夫である。
ソールが硬く、悪路でも耐えることが出来るタフなソールである。
デメリットとしては溝が深く隙間があるため、小さなゴミや小石などが挟まりやすくなっている。
ビブラム社の"Vibram #100"が有名である。

クレープソール

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ゴムの木から採取することができる樹液を使った天然ゴムを原料として作られているソールで、耐水性がや柔軟性に優れていて履き心地が良い。
明るい色をしているためラバーソールの中でもよりカジュアルに履くことが出来る。
デメリットとして雨の日に滑りやすいという点が挙げられる。
また、天然のゴムを使用しているため気温に影響されることが多く、夏場は地面にベタベタとくっつくような感覚があるのに対して冬は冷えて硬くなる。
クレープソールを扱うブランドとしてクラークス社が有名である。

ビブラムソール

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ビブラムソールとは、ソール専門のメーカー"ビブラム"社が製造しているソールである。
登山用として開発されたのが始まりで、現在は登山靴だけでなくワークブーツやスニーカーや革靴など、それぞれの用途に適した機能を持つソールが販売されている。
機能性だけでなくデザイン性も高く、バリエーションが様々な靴に合わせることが出来る。

ダイナイトソール

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デコボコした裏面が特徴的なダイナイトソールはイギリスのハルボロラバー社で生産されたラバーソールだ。
スタッデッドソールが正式名称だが、ダイナイトというブランドの看板的なソールとして広まったためダイナイトソールの名で親しまれている。
グリップ力が高く、それでいてすっきりとしたデザインになっているためドレスブーツやカントリーブーツなどフォーマルな雰囲気の靴にも違和感なく合わせることが出来る。

おわりに

耐久性や無骨な見た目を求めるのであればビブラムソールである。
また、歩きやすさやスッキリとした見た目を重視するのであればダイナイトソールをオススメする。
紹介したブランド以外にも、ブランドごとに異なる強みを持つものや特徴的なデザインを持つソールが多く存在する。
自分の好みのデザインや用途、求める機能などを考え、お気に入りのソールを探してみてはいかがだろうか。