靴が引き起こす足への危険

はじめに

「おしゃれは足元から」とはよく言うが、見た目だけで靴を選んでしまうと怪我をしてしまう可能性が多く潜んでいる。
今回は靴が原因で引き起こされる病気や怪我についていくつか紹介しよう。

劣化した靴による怪我

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なかなか履く機会がなくほぼ新品の状態で長い間下駄箱やタンスで眠っていた靴を引っ張り出して外に出てみると、駅までの数分の道の途中で靴底がはがれてしまったというような話をたまに耳にする。
特にソールにポリウレタン素材が使われている靴は注意が必要だ。
ポリウレタンは摩耗に強い素材であるため頑丈なイメージがあるが、加水分解という分解反応が起き経年劣化していくため、使用していない未使用品でも長い間放置しているとボロボロになってしまう。
劣化していることに気づかず履いてしまうと歩行中にソールが剥がれ、場合によっては大きな事故に巻き込まれてしまう恐れがある。
ポリウレタン素材を使用している靴を長持ちさせるためには除湿剤を入れて保管しよう。劣化を確実に防ぐことはできないが加水分解を遅らせることが出来るためより長く履くことが出来るだろう。
また、あまり履いていない靴を履く際は加水分解していないか靴の状態を事前にチェックし手入れをしてから履くことをオススメする。

靴紐によって引き起こされる怪我

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靴紐による怪我は誰にでも起こる可能性がある。
ほどけた紐を踏んでしまったことにより転倒したり、しっかりと結んでいても紐の輪の部分が靴のフックや装飾に引っかかって転んでしまうこともある。
転び方が悪いと骨を折ってしまうこともあるだろう。
また、エレベーターやエスカレーターで靴紐が引っかかってしまったことによる事故も発生している。
事故が起こってしまってからでは遅いので、ほどけない靴紐の結び方をすることで事前に事故を防いでしまおう。

※詳しい靴紐の結び方に関する記事はこちら

覚えておきたい靴紐の結び方

サイズが大きい靴を履いたことによる怪我

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日ごろから靴の着脱をスムーズにするため靴紐を緩くしているという方や欲しい靴のジャストサイズがなかったため大きいサイズを購入したという方がいるだろう。
普段通りに歩いていると思っていても実際は指や足に大きな負担がかかっている。
靴のサイズが大きいと歩行がすり足になってしまうので転倒の危険があるだけでなく、血行が悪くなり冷えやむくみの原因となる。
それだけでなく太ももの筋肉の使い方に偏りが出来てしまい結果的に足が太くなるという場合もある。
足の指で作を支えて歩くため、外反母趾の原因となってしまうこともある。
サイズが大きい靴を購入した場合は厚めのインソールを入れて隙間をなくしたり、靴紐をしっかり結んで足への負担をなくすことを心がけよう。

サイズが小さい靴を履いたことによる怪我

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サイズが小さい靴を履くと指が圧迫されて曲がった状態になる。
この状態が続くとやがて指が変形していき外反母趾になってしまう。
悪化していくと靴を履いていなくても痛みが生じたり足の指の関節が脱臼してしまうなどといった症状が起こり、
歩行困難になるだけでなく全身の骨や筋肉が弱っていき様々な病気の原因となっていく。
外反母趾は足のストレッチや歩行の改善で直すことが出来る。
親指がくの字に曲がってきたという方や巻き爪になってきた、足の裏や指の間にタコができやすくなってきたという症状は外反母趾の可能性があるので注意しよう。

靴を買うタイミング

人の足のサイズは午前と午後で変化するということをご存知だろうか。
一般的に、午後になると足がむくんで少し大きくなってしまう。
午前中に試着をして購入すると午後に履いた際、窮屈に感じてしまうことから「靴は夕方以降に買ういい」と言われている。
しかし、朝方に足がむくんでいるという方などもいるため夕方に買うことが正しいとは言い切れない。
では、どの時間帯に購入するのが正解なのか。
それは「1日で最も靴を履いて歩く時間帯」である。
デスクワークをしている方は通勤時間、学生の方は放課後などといった1日で最も足に負担がかかる時間帯に購入すると足への負担を軽減することが出来るだろう。

おわりに

いかがだっただろうか。
靴だけを見ても多くの病気や怪我が潜んでいる。
靴を購入する際は自分の生活スタイルを考え、定期的な手入れを行うことが大切だ。