靴のフィッティングポイント解説 - 自分の足にピッタリな靴の見つけ方

靴のサイズは把握しているのに起きるサイズトラブル

皆さんは靴を購入する際に、自分の足のサイズを意識しているだろうか?
大抵の人は「もちろん!自分の足の大きさはある程度把握した上で購入している」と答えるだろう。

では何故、把握して購入しているはずなのに、多くの人がサイズトラブルに悩まされるのだろうか?

履いている靴のサイズが微妙に合っていない。
長時間履き続けると小指や、踝が擦れて痛む。
このような悩みが今でも後を絶たない。

私自身もサイズを把握し、試し履きを行って購入したにも関わらず、上記のようなトラブルに遭遇することが過去に何度もあった。
しかし、購入時にフィッティングの要所を抑えていればサイズ違いによる悩みをスッパリと解決できる。

視力を測って適したメガネを購入するのと同様に、靴も計測して購入する必要があるのだ。

どうして靴のサイズは簡単に合わせられないのか?

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靴は製品ごとにサイズが記載されており、自身がこれまで履いてきた感覚を参考にし、近しサイズを購入している人をよく見かける。
特に日本製品は「○○.○cm」による表記が多く、なじみやすい単位であることからサイズ判別の目安としては便利だ。

しかし、製品に表記されている数値はあくまでも「目安」でしかない。

ブランドによってサイズが違うのは当然のこと、同じブランドであってもモデルが違えば、同じサイズ表記であっても全く異なり違和感を得る。
また、同じブランドの製品でもターゲット層を変えていて、足がむくみやすい年配向けには、負荷がかかりにくいようにゆったりと作られ、若者は歩き回ることが多いため、フィット感のでやすいようキュッと絞るように作られている。

では実際にどういった箇所に注目してサイズを決めれば、自分に合った靴を見つけられるのか?
次は購入時に大切なフィッティングポイントを解説していきたい。

各フィッティングポイントの解説

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靴のフィッティングポイントとして重要なのは、下記の5箇所。
・履き口
・かかと
・土踏まず
・足の甲
・つま先

これらの箇所を確認することで、驚くほど自分に適した靴を見つけることができるのだ。

履き口のフィッティングポイント

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まずは履き口に注目してほしい。
ベストなポイントは「履き口とくるぶしとの間」に隙間ができていないかを確認すること。
履き心地が良い靴を見つけるためには、靴ひもを締めた時にキュッとくるぶし全体にフィットするかどうかを確認することだ。
隙間がある状態では、歩き辛い上に、履き口との摩擦で炎症を起こしてしまうため、靴選びにとって妥協のできない要所だ。

かかとのフィッティングポイント

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続いてのフィッティングポイントはかかと。
履き口とは打って変わって「靴とかかとの隙間」が確保できているかがポイントとなる。
靴は歩きやすいようにつま先部分にスペースができるように作られていて、足をつま先側に押し付けた際に靴とかかとの間が約1.5cm空いているのがベストなサイズだ。
かかとのフィッティングは安定感に影響し、外を歩く機会が多いのであれば必ず確認しておこう。

土踏まずのフィッティングポイント

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3つ目のフィッティングポイントは土踏まず。
履き心地に影響を与える部位で、サイズが足に適していないと、歩く際に無駄な力が入ってしまう。
これでは、力が分散されずに疲労の原因となってしまう、
見極めポイントは靴を履いた時に「靴全体の締め付けが緩くもなく、きつくもないこと。」
土踏まずのアーチ部分の形が靴とキレイに揃っていると、立った時の安定感の違いにすぐ気付くだろう。

足の甲のフィッティングポイント

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フィッティングポイント解説も後半。
4つ目の要所は足の甲部分だ。
ここでの見極めポイントは、土踏まず同様に、足の甲部分と靴の間がきつくなく、緩くもないかである。

しかし、購入を考えている靴によっては丁度良いサイズが見つからない場合もあるだろう。

もし、緩いか靴かきつい靴のどちらかを選択する場合は、きつい靴を選択することをお勧めする。
靴というのは履き続けると足のサイズや、重さによって多少変形するものだ。
甲やソール部分は靴の中でも変形しやすく、多少のきつさであれば履いているうちに馴染んでくる。

つま先のフィッティングポイント

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最後のフィッティングポイントはつま先。
大抵の靴はつま先に余裕ができるように、1~1.5cmほどのスペースが設けられている。

つま先と靴のスペースが短いとフィット感もありそうだと考える人もいるが、それは間違いである。

つま先にゆとりのない靴を一度試し履きしたのだがたことがあるのだが、余裕がある靴と、そうでない靴では歩き心地が段違いだった。
先端の余白部分は人間の足のメカニズムを研究した結果であり、そのベストな余白こそ1cmから1.5cmなのである。
是非とも、0.1cm単位で歩き心地を確認していただきたい。

試し履きができない環境で自分に合った靴を選ぶには?

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近年ではインターネット通販を利用して靴を購入する人も増えてきた。
そして比例するようにサイズトラブルで悩みを抱える人たちの増加は、洋服に限らず靴も同じである。

ではインターネット上で靴を購入するのは辞めたほうがよいのだろうか?
試し履きができるのであれば、履いてみるにこしたことはないが、自身の適正サイズを把握していれば試し履きで各フィッティングポイントを確認しなくても履き心地の良い靴を購入することもできるのだ。

それでは早速、自身の適正サイズの測り方を紹介していきたい。

自身で適正サイズを調べる方法

よく一般的に靴サイズの目安としてされているのが「足長」と呼ばれる部分だ。
製品に表記されている「○cm」や「○E」も、足長を目安とした数値を参考に記載されている。

しかし、足長だけでは足の甲部分や、土踏まずのフィット感などは確認できない。
そんな時に役立つのが「足幅」と「足囲」である。

もちろん、これらの表記は、ネットでも製品情報の欄に大抵記載されている。
あまり見たことがないのは、私たちが普段参考にしていないせいで、表記に気づいていないだけである。

2か所の長さを調べ、商品の表記サイズと照らし合わせることで、より相性の良い靴をネット通販でも見つけることができる。

適正サイズは店舗で測ってもらうのが確実

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いざ3か所のサイズを測ろうとした際に、足幅と足囲はどう計測するのか。

親指の付け根あたり?
それとも、土踏まずの反り返り部分からだろうか?

足の甲部分とは言え、どの位置で計測すればいいのかわからず、曖昧な箇所を測ってしまう人も多い。


答えはポールジョイントと呼ばれる箇所の計測だが、靴や足の構造に詳しくないと普段聞きなれない言葉である。

もしも、適正サイズを測るのが難しいなと感じたなら、迷わず靴店舗のシューフィッターに相談してみると良い。
彼らは正確な計測を行ってくれるのはもちろんのこと、足の形の傾向に適したブランドだって紹介してくれる。
まさにフィッティングのプロである。

まとめ

今回は自分の足に適した靴を購入できる「フィッティングポイント」についてご紹介したがいかがだろうか?
製品に表記されているサイズは、あくまでも目安なんだと覚えておいてほしい。
是非、5つのフィッティングポイントを活かして自分の足にピッタリな靴を選んでいただきたい。