ワークブーツのシューレース - 小さな工夫で大きな変化を

はじめに

ワークブーツは扱い方次第で10年以上使用することができると言われているが、
同じ靴を長年履いていると気分を変えて別のものをなんてこともあるだろう。
そんな方にはシューレースのカスタマイズをおすすめしたい。
シューレースを変えると使用感やフィット感が変わるだけでなくブーツの印象も大きく変わってくる。
本コラムではシューレースの種類や結び方の特徴を紹介する。

シューレースの種類

ワークブーツには様々な種類があるが、シューレースは大きく分けて2種類に分類することができる。

丸紐(まるひも)

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文字通り、断面が丸くなっているシューレースのことである。
丸紐には表面加工されているものが多く、耐久力が高いことやアイレットに通しやすいという特徴があるが、
ほどけやすい、フィット感に欠けるという欠点が挙げられる。
丸紐の中でも断面が四角い紐を角紐と分類することもある。

平紐(ひらひも)

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断面が平たくきしめんの様なシューレースのことを平紐と呼ぶ。
ほどけにくく、しっかりと結べることができる。
紐の面積が広いほどカジュアルな印象を与える効果があり、
カラーバリエーションが多いので好きな色を見つけやすい。
デメリットとしてはアイレットに通しにくい、ねじれやすいといった点が挙げられる。

靴紐にも違いを

丸紐、平紐の中にも加工方法や紐の素材によっていくつかの種類に分類することが出来る。

ガス紐

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ガス紐は一般的にビジネスシューズで使用されているシューレースである。
シューレースをガスの火に通して表面の毛羽を焼くことにより光沢が出るように加工されていることからガス紐と呼ばれている。
手触りが良くアイレットに通しやすいためシューレースの付けはずしがスムーズに行える。
また、結びやすいが耐久性に欠けるという面も持つ。

革ひも

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レザーをひも状に切ったものが大半で、丸や平たい形状のものはあまり多くない。
通常の編まれたひもと違い一枚の加工されていない革なので、摩擦で切れてしまうことがある。
切りっぱなしの部分が使うほどに毛羽立ち、それを味として好む人もいる。

ロウ引き

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ドレスシューズでよく使われているのがロウを引いた丸紐。
ロウを引くことで紐全体に光沢を出し、耐久性も向上する。
表面をコーティングしているので若干固く、結び目が馴染むまで時間がかかるのが玉にキズ。

石目柄

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ニットのように編み込んで作られた紐を指す。
石のタイルを並べたような紋様になるため石目柄と呼ぶ。
構造上伸び縮みやクッション性が高く、スニーカーなどのカジュアルな靴によく合う。

特殊な靴ひも

近年では、従来の靴ひもと異なり履いた時のフィット感や着脱の際の手軽さを重視したゴムを使用した紐が発売されている。
平紐と丸紐があるのでスニーカーやブーツ、革靴にも使用することが出来る。
そのほかにシリコン製の靴ひもが発売されており、脱ぎ履きが簡単なだけでなく、
汚れを簡単に落とすことが出来るので常に綺麗な状態を保つことが出来る。

靴ひもの選び方として

靴ひもの種類の選び方として、どのような服装、印象で履きたいかを基準に選んでいただきたい。
太めの丸紐や平紐を通すと無骨さが引き立たれるのでカジュアルな太めのパンツに向いているのに対し、
細めの丸紐の場合はスラっとした上品な印象に変わるのだ。
いくつか紐を用意しておき、その日のコーディネートに合わせるといった使い方をお勧めしたい。

靴紐の結び方

オーバーラップ

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シューレースを上から下に通していく結び方で、
正面から見るとシューレースがVの字になる。
締めることに苦労するがしっかりと締めることができ緩みにくいため、
スニーカーなどにもよく使われる結び方である。

アンダーラップ

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オーバーラップとは反対に、下から上へ通していき、
シューレースが逆Vの字になる。
締めやすく緩みやすいという特徴があり、
着脱が簡単なため、まだ足に慣れていない靴やアイレットが多い靴におすすめの結び方だ。

シングル

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シューレースが平行に並ぶ結び方で、
交差が少ない為厚みが出にくく、
クラシックな印象があるためフォーマルなシーンによく用いられる。
締めやすく緩みやすいので慣れるのに時間がかかる。

パラレル

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シングルと同様にシューレースが平行に並ぶ結び方で、
手順が複雑であるが締めやすく緩みにくいという特徴がある。

ループバック結び

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アンダーラップのようにシューレースをしたから上へ通していく結び方だが、
大きな違いは2本を真ん中で交差させることある。

はしご結び

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"ラダー"とも呼ばれ、その名の通り靴ひもをはしごのように通す結び方である。
靴ひもを垂直に通し、さらにその間に通していくためしっかりと結ぶことができ、
緩みにくいことが特徴である。

おわりに

購入時に通されている靴ひもをそのまま使用している方が多いのではないだろうか。
靴ひもの種類や結び方を変えることで使い心地が大きく変わってくる。
それだけでなく個性を出すことができオリジナルのワークブーツを楽しむことが出来るので、
気になった靴ひもや結び方に興味を持った方はぜひ挑戦してみてほしい。