シューフィッターになるには 資格や給料など将来性まで詳しく解説

「サイズが合うと思って買った靴だが、実際に履いてみるとすぐに脱げてしまう」
「靴がすぐに壊れてしまうため、頻繁に使用しても壊れない靴がほしい・・・」
このような悩みを抱えたことはないだろうか。
これを解決するのが「シューフィッター」だ。
シューフィッターを簡潔にまとめると、足と靴に関する専門知識を持ち、
靴専門店や百貨店等でお客様の足に合わせた靴を選ぶ存在のことである。

近年では、人々の健康への関心は高まってきており、足もその一つだ。
そのため、足に合う靴を選んでくれる存在のニーズも高まっていると考えられる。

しかしながら、シューフィッターは日本ではまだまだ知名度の低い職業である。
ここでは、シューフィッターがどのような存在なのか、
シューフィッターになるにはどうすれば良いのか、解説していこう。

シューフィッターは何をする?

shoefitter1.png

シューフィッターは「足と靴と健康協議会(FHA)」と呼ばれる機関が、
養成・認定している技術者の名称のことである。

デザインのみを優先して、足に合わない靴を履き続けると、
ただ単に足が痛むというだけではなく、
体全体に影響を及ぼす可能性が出てきてしまう。
こうした問題を避けるためには、履く人に合う靴を選ばなければならない。

このような靴選びをサポートするために存在するのが、シューフィッターである。
シューフィッターは靴および足について深い知識を持ち、
客の足の状態に合うサイズ、デザインの靴を選ぶことができる。
さらに、選んだ靴に対して調整を加え、100%フィットした状態にした上で靴を販売するのだ。

shoefitter2.jpg

靴販売店にしっかりしたシューフィッターがいれば、
自分で選ぶよりも自分の足の状態に合った靴を提供してもらえるだろう。

シューフィッターの年収・将来性は?

シューフィッターは、働く場所が百貨店や靴専門店など様々である。
その場所によって収入も異なり、シューフィッターだけの年収のデータは存在しないが、
靴の販売に携わる人の平均年収は、約350~400万円程度と言われている。
大手の靴メーカーや百貨店等であれば500~600万円以上となる。

シューフィッターは靴が欲しい人に対して、その人の足に合う靴を選ぶ手助けをする職業である。
そのため、靴が存在する限り、需要が無くなるということはないだろう。
近年は人々の健康に対する関心も高まってきており、それに伴ってシューフィッターの出番も増えてくるはずだ。
これらの点を踏まえると、シューフィッターの将来性は高いといえる。

シューフィッターはどこにいる?

shoefitter3.jpg

シューフィッターは全国の靴専門店や百貨店、靴のメーカーなど靴を取り扱う会社に、
従業員として働いている場合がほとんどである。

具体的にどこにいるのか知りたい場合は、足と靴と健康協議会のホームページに、
シューフィッター検索のページがあるのでご覧いただきたい。
https://fha.gr.jp/search

自分の足の状態に合った靴を選ぶのは素人には難しいものである。
シューフィッターが在籍している店ならば、健康科学的な観点からも靴を選んでもらえるし、
納得できない部分があれば、微調整もしてもらえるだろう。

より良い提言を求めるならば、階級の高いシューフィッターが在籍する店に行くと良いだろう。
上記リンク先では、階級での検索も可能なのでぜひ調べてみてほしい。
なお、一番階級の高いマスターシューフィッターは現在日本では11名存在している。

シューフィッターへの道

シューフィッターになるためには、足と靴と健康協議会が養生および認定している、
シューフィッターの資格を取得しなければならない。

基本的な階級として、初級「プライマリー」、上級「バチェラー」の2つがある。
その上には最上級の「マスター」と呼ばれる階級がある。
その他には、幼児子どもの靴選びにに特化した幼児子ども専門シューフィッター、
高齢者の足の状態に対応するためのシニア専門シューフィッターがある。
まず目指すべきは初級「プライマリー」の合格だ。

プライマリーの認定基準の一つには、足や靴に関連する仕事への3年以上の実務経験がある。
そのため、資格の取得前には靴屋や靴の販売を行う百貨店に就職するのが一般的だ。

プライマリーの資格認定には、3年以上の実務経験に加えて、
3日間のスクーリング受講と、在宅課題への合格が必要となる。

プライマリーの合格率は8割程度であるため、
難易度は高くないといえる。

プライマリーに合格した後は、上級コースであるバチェラーを目指すことになる。
バチェラーコースを受講するためにはプライマリーの資格が必須である。

バチェラーの資格認定には、9日間のスクリーニング全てに出席すること、
6課目の課題を提出しクリアすること、6課目の認定試験に合格することが必要である。

シューフィッターを目指そう

shoefitter5.jpg

現在ではシューフィッターの知名度はまだ高いとはいえない。
しかし、人々の足の健康への関心は高まってきており、
それに伴ってシューフィッターの需要も増すだろう。

シューフィッターは、単に靴を選ぶというだけではなく、
靴を買いに来た人の健康を考える重要な仕事である。

そのため、靴が好きという気持ちだけではなく、
お客様一人一人の足に合う靴を選び出すための知識と技術が必要である。

シューフィッターになった後も、
足に関する知識や靴を足に合わせる勉強を続けなければならない。
マスターシューフィッターと呼ばれる人たちは日々靴のことを学び続けているという。

そんな靴に対する強い探求心を持つ人は、
ぜひシューフィッターを目指してみてはいかがだろうか。