普段の手入れで長持ちさせる!ビジネスシューズの手入れ方法と保管について

あなたが今使っているビジネスシューズは使い始めてからどれくらい経っているだろうか。
雑に保管をして、1~2年で駄目にしてしまうのは非常にもったいない。
ポイントを押さえた手入れと正しい保管を心がければ、今使っているビジネスシューズを10年以上経っても使うことができる。

このコラムでは、ビジネスシューズとして主に使用される革靴を長持ちさせるための手入れの方法や、保管方法を紹介する。
普段おざなりにしている方はこの機会に一度見直していただきたい。

正しい手入れと保管の方法を知る

手入れや保管をちゃんとしていないと、すぐにカビが生えたり変色してしまう。
革靴をできるだけ長い期間、良い状態で使い続けるためには、正しい手入れと適切な保管は必須である。

ファッションや状態維持の面を考えると、毎日同じ靴を履き続けるのは避けたい。
足から出る汗が乾燥しないまま履き続けると、細菌が溜まって革が傷んでしまうからである。

理想は1日履いたら2日以上は休ませてやることだ。

何を大切にすれば良いのか

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革靴の手入れおよび保管をしていく前に、大切にすべきポイントが3つある。

それは、

●足になじむこと

●通気性があること

●丈夫で美しいこと

である。

靴クリームを塗るときに、表面についた古い靴クリームを落とさない場合、
塗り重ねによって通気性が失われ表面がぼろぼろになってしまう。

これでは、しっかり手入れをしていたつもりでも後には靴を駄目にしてしまう。
靴と長く付き合っていくためには、上の3点を常に念頭に置いておきたい。

使用前の手入れ

革靴を良い状態で履き続けるために、普段の手入れが重要なことは多くの人が認識しているだろう。
しかし、新品の革靴を使い始める前の手入れについて知っている人は多くはない。

実は新品の革靴を何もせずに履き続けると、革靴は傷みやすくなってしまう。
革靴を使い始める前に手入れをすることで、汚れや雨に強くなり長持ちさせることができるのだ。

まずは手入れに必要なものを確認しよう。

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使用するのは革靴手入れ用のクロス、シューズ用のクリーム、防水スプレーだ。

ここから、手入れの手順について説明する。

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①まず靴紐をほどき、シューツリーを靴にはめる。
シューツリーを使うことで、靴の変形を防ぎ作業効率を高めることができる。

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②クリームを塗るために、革靴手入れ用のクロスを手に巻き付ける。
クリームを塗る際には中指と人差し指の指先を使う。

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③シューズ用のクリームをクロスに取って、円を描くように軽い力でむらなく塗っていく。
クリームをとりすぎないように注意すること。

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④全体にクリームを塗り終えたら、クロスを巻き直して綺麗な面でカラ拭きを行う。
これを行うことで塗りムラがなくなっていく。アッパーなど平らな部分を塗る際には持ち替えてやると良い。

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⑤最後に防水スプレーを全体に吹きかける。

以上の作業を行うことで、クリームにより栄養分が補給され保護膜ができ、汚れや雨に強くなる。
手入れが終わったら室内で風通しの良いところに置いておくこと。
なるべくすぐには使わず、翌日以降に使うようにすると良い。

週に1回の本格手入れ

靴の状態を維持していくためには、軽いブラッシングやカラ拭きで汚れをとる普段の手入れだけでは不十分である。
週に1回は汚れを落とし、靴クリームで艶出しと補色を行い、同時に靴底の状態確認とケアを行わなければならない。

ここでは、週に1回は行っておきたい本格お手入れの手順を紹介する。

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使用するアイテムは以上のとおりで、革靴手入れ用のクロス、レザーローション、シュークリーム、レザーソールコンディショナー、ブラシである。
これらのアイテムを用いた手入れについて紹介する。

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①シューレース等のアクセサリーを外してから、シューツリーをはめ、アッパー部の屈曲部を伸ばす。

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②コシのしっかりした豚毛のブラシを使い、大まかな汚れやホコリを落とす。
特にコバの部分や屈曲部のしわの部分には汚れやホコリが溜まりやすいため、入念に作業を行うこと。

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③レザーローションをクロスに取り、拭き取るようにして汚れを落とす。
力を入れすぎると本来の仕上げも取ってしまうので注意していただきたい。

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④保革と艶出し、補色のためにシュークリームを塗る。

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⑤以上の作業によって色と艶が戻る。
耐水性が弱い素材の靴であったら、仕上げに防水スプレーをしておくこと。

正しい保管方法とは

革靴を購入したあと、すぐに履かない場合は購入時に入っていた紙箱に入れているだろう。
しかし、箱に入れて保管すると通気性が確保されないので、1ヵ月に1回は風通しの良いところに出して換気させることが必要だ。

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革靴を使い始めると、下駄箱に靴を入れておくのが通常の保管方法だろう。
しかし、下駄箱の中は意外と湿気が多い場所であり、通気性も良くない。
下駄箱で革靴を保管する場合は、月に一度は風通しの良いところに出して換気させるのが良いだろう。

靴は使い続ければ、傷んでしまうものだ。
しかし、仕舞いっぱなしでも状態は悪化してしまう。
ある程度履いた上で、適切な手入れをすることが靴を長持ちさせる最善の方法なのだ。

シューツリーの選び方

靴を履き続けると歪みが生じるのは必然である。
その歪みを防ぐための必須アイテムがシューツリーだ。
靴の保管時にシューツリーを靴の中に入れることで、靴の使用によって生じた歪みを矯正することができる。

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このシューツリーは何でも良いというものではなく、靴に合ったものを選ばなければならない。
サイズや形が合わないものを選んでしまうと、靴が変形してしまう。

ここではシューツリーを選ぶ際に注意すべきポイントを解説するので、実際に選ぶときは参考にしていただきたい。

ポールジョイントはフィットしているか

ポールジョイントとは親指と小指の付け根の一番出っ張っている部分のことである。

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ポールジョイントは、歩行時に屈曲するため履きジワの起点にもなる。
そのため、小指の付け根部分までの左右にしっかりフィットしているかどうかは重要である。

この点について、手で押さえてしっかり確認しなければならない。

甲の部分がツリーから浮いていないか

シューツリーを使用する目的の1つとして「歩行時にできた甲の部分のしわを復元する」というものがあるが、
シューツリーの形が靴に合っておらず、甲の部分がツリーから浮いていると全く意味がなくなってしまう。

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シューツリーを選ぶ際には、写真のように指を押し当てて、
甲の部分がツリーから浮いていないかどうか、履きじわがしっかりと伸びているかどうかを確認する必要がある。

カカトを面で捉えているか

シューツリーのカカト部分が小さいと、カカトの一部分にのみテンションがかかってしまい、型崩れを起こしてしまう。

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このような事態を避けるために、シューツリーはカカトの部分をしっかり面で捉えているものを選ばなければならない。
カカト部分を面で捉えているものを使用することで、靴の使用によるかかとの型崩れを復元することができる。

シューキーパーは木製のものを

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1日に足から出る汗の量はコップ一杯分と言われている。
つまり、1日靴を履くとコップ一杯分の汗を靴は吸っているのだ。
これをそのままにしておくと、菌が繁殖し臭いが発生してしまう。
それだけでなく、靴を早く傷める原因にもなってしまう。

シューツリーは上記で述べた形状維持という機能の他に、靴を乾燥させ適切な湿度に調節するという機能がある。
シューツリーを使用することで足の汗による菌の繁殖を防ぐことができるのだ。

シューキーパーの中には安価なプラスチック製のものもあるが、
上記のような利点を考えると、木製のシューツリーを選んでいただきたい。

各トラブルの対策

ここでは革靴に関する各トラブルに対してどのようなケアを行っていけば良いのかを紹介する。
間違ったケアをして靴を傷めてしまわないためにも、正しいケア方法を覚えていただきたい。

雨ジミの対策

革靴が雨で濡れたとき、そのまま放置しておくとシミができて靴が傷む原因となってしまう。
家を出る前に強い雨が降っていた場合、革靴を履かなければ問題ないだろう。
しかし、出先で突然雨が降り出したとき、雨に濡れることは避けられない。

革靴が雨に濡れると、革の繊維内や表面についた汚れ・染料が水の動きとともに移動する。
やがて、水が乾くと濡れた部分と濡れなかった部分で色に違いができる。これが雨ジミとなる。

雨ジミを防ぐためには、濡れたところと乾いたところの接点をなくさなければならない。
それには固めに絞ったタオルで、靴全体を水拭きすれば良い。
シミが翌日になっても残っていた場合は、再度絞ったタオルで靴全体を水拭きする。
このとき、シミの部分をタオルで押さえ込むようにすると消えることが多い。

雨ジミを処理できるのは、水拭きしたときに薄黒く水がしみ込む革のみである。
表面に防水加工がしてある、簡単に水がしみ込まないような革ではシミをとることはできないため、注意していただきたい。

塩ジミの対策

靴が乾いてくると、白い粉が噴き出てくる場合がある。
これは塩ジミといい、汗の塩分である。
同じ靴を何日も履き続けて、足蒸れが生じていると塩分がたまりやすくなる。

塩ジミはクリーナーや靴クリームを使用しても取ることはできない。
放置しておくとその部分は固くなってひび割れをおこしたり、ボロボロと欠けてきたりしてしまう。

塩ジミを取るためには雨ジミ同様、固めに絞ったタオルで靴全体をくまなく水拭きする。
これによって、塩の部分により多くの水分を与えることができる。
その際、サドルソープという革石鹸を使うことで、革がしなやかになり汚れも落ちやすくなる。

1~2か月に1回程度、サドルソープで洗っていれば塩ジミをなくすことができる。

カビの取り方

カビは時間経過に伴って、黒い根っこを作る。この黒い根っこの部分は取り除くことができない。
カビを取るためには白い粉だけの早い段階で対策をとらなければならない。

ここからはカビの取り方について紹介する。

①白いカビの粉をボロ布で払ったり、拭いたりして取り除く。この段階で水拭きは決してやってはならない。
カビ菌が浸透したり、カビの根っこに湿気を与えて元気づけてしまうからである。

②革用除菌消臭スプレーを、革の内外に吹きかけ除菌する。

③カビ菌の死滅する期間である4~5日から1週間くらい風通しの良い場所に保管。

④水拭きする。ここで全体をくまなく水拭きしてカビの死骸や汚れを靴の中まで綺麗にふき取るのがポイントだ。

⑤乾いたら、水で落ちない汚れをクリーナーで拭き取り、通常の手入れをして完了である。

長期にわたって保管する場合

普通に使用して、短期間の保管をする場合、通常のケアを行えば問題はない。
しかし、長期保管するためには、通常の保管とは別の対策が必要となる。
ここでしっかり長期保管の方法について覚えていただきたい。

長期保管の前に特に注意したいことは、型くずれしないようにすること、カビの発生を防ぐことである。
この対策には、保管する前の対策が重要だ。

型くずれを防止するためにはシューキーパーや丸めた新聞紙を靴の中に入れておけば良い。
このときシューツリーを使用したり、乾燥材を入れたりすることで湿気を避けることができる。

カビは高温、多湿、汚れの3つの条件が揃ったとき、発生すると言われている。
そのため、靴を保管する際には、高温多湿の場所を避けなければならない。

汚れ対策としてはまずクリーナーで汚れを落としてから、固めに絞った綺麗なタオルで内側と外側を水拭きし、汚れや塩分を抜く。
その後にロウ無しのクリームを塗って、最後に靴用消臭スプレーを靴や靴箱、下駄箱にもスプレーして保管すれば良い。

このような対策をとった場合でも、梅雨時や夏場は時々確認することが重要である。

まとめ

ここまでビジネスシューズとして使用される革靴を長持ちさせる方法を紹介したがいかがだっただろうか。
正しい手入れや保管方法を実践していけば、現在使用しているビジネスシューズを10年経っても使い続けられるはずだ。
ぜひ、お気に入りの靴を長持ちさせることができるよう、大事に扱っていただきたい。